
競争激化!?V字カーブが示す業界構造
ある特定の市場や産業において、企業の規模と収益性の関係には興味深い傾向が見られることがあります。それは、規模の小さな企業と規模の大きな企業は比較的収益性が高く、反対に中規模の企業は収益性が低いという現象です。この現象をグラフで表すと、アルファベットの「V」のような形になるため、「V字カーブ」と呼ばれています。
では、なぜこのようなV字カーブが生まれるのでしょうか。それは、業界全体の競争構造や企業戦略と深く関係しています。
まず、規模の小さな企業は、小回りの良さと専門性を武器に、特定のニッチな市場で高い収益性を確保できることがあります。一方、規模の大きな企業は、大量生産によるコスト削減や、多様な商品・サービス展開による市場支配力によって高い収益性を維持しています。
しかし、中規模企業は、規模のメリットを活かしきれない一方で、ニッチな市場での専門性も不足しているため、収益性が低迷してしまう可能性があります。
このV字カーブは、企業が成長戦略を立てる上で重要な示唆を与えてくれます。
中規模企業は、規模の経済性を追求するか、あるいは特定の市場に特化するかなど、明確な戦略を持って事業に取り組む必要があると言えるでしょう。