
金融業界の進化を促す「水平的レビュー」
- 水平的レビューとは金融庁は、金融機関全体の質を高め、健全な発展を促すことを目的として、様々な検査や監督を行っています。従来の検査では、個々の金融機関が法令やマニュアルに沿って、業務を適切に行っているかをチェックすることに主眼が置かれていました。これは、いわば各金融機関が最低限の基準を満たしているかを確認する作業と言えます。しかし、金融業界を取り巻く環境は、技術革新や国際化が進展するなど、常に変化しています。このような状況に対応し、業界全体としてより高いレベルの健全性を確保していくためには、従来の検査に加えて、新たな視点からの取り組みが必要となってきました。そこで、2013年9月から導入されたのが「水平的レビュー」です。これは、特定のテーマを設け、複数の金融機関を対象に、共通の視点から調査・分析を行うというものです。例えば、「顧客情報の管理体制」や「サイバーセキュリティ対策」といった、多くの金融機関に共通する重要なテーマを取り上げ、先進的な取り組みや課題などを分析します。そして、その結果を踏まえて、業界全体としての改善に向けた取り組みを促していくことを目的としています。