
精度の高い「連鎖方式」:メリットと注意点
経済の動向を把握する上で、物価や経済成長を表す「指数」は欠かせない指標です。この指数を算出する方法として、近年注目を集めているのが「連鎖方式」です。
従来広く用いられてきたラスパイレス方式やパーシェ方式では、基準となる時点から時間が経過するにつれて、物価の動きを正確に反映できなくなる可能性がありました。これは、消費者の購買行動の変化や、技術革新による新しい商品やサービスの登場といった要因が、時間の経過とともに指数に影響を与えるためです。このような現象を「バイアス」と呼びます。しかし、連鎖方式は、このバイアスを最小限に抑える革新的な方法として登場しました。
具体的には、連鎖方式では、短い期間ごとに基準時点を更新し、その都度、物価や数量の変動を計算します。そして、それらを繋ぎ合わせることで、より現実に近い形で物価や経済成長の動きを捉えることができます。
連鎖方式の導入により、経済統計の信頼性は高まり、政府や企業はより精度の高い経済分析に基づいた意思決定を行うことが可能となります。また、消費者にとっても、物価の動きをより正確に把握することで、家計管理に役立てることができます。