
個人消費の物価を測る:PCEデフレータとは?
私たちが日々購入する「モノ」や「サービス」の価格は、常に変動しています。この価格変動は、私たちの生活に大きな影響を与えます。例えば、同じ食料品を買うにしても、価格が上がれば家計の負担は増えますし、逆に価格が下がれば支出を抑えることができます。
このような状況を把握するために、経済指標の一つである「個人消費支出(PCE)」が注目されています。これは、私たちが商品やサービスにどれだけ支出しているかを示す指標です。しかし、個人消費支出の増加は、必ずしも購入した「量」が増えたことを意味するわけではありません。例えば、価格が2倍に上昇すれば、たとえ購入量が変わらなくても個人消費支出は2倍に増加してしまうからです。
そこで重要になるのが、「PCEデフレータ」という指標です。これは、個人消費支出の総額を、基準となる年の価格水準で割戻すことで、実質的な購買力の変化を測定するものです。つまり、PCEデフレータを見ることで、物価の影響を取り除き、純粋な消費量の増減を把握することができます。
PCEデフレータは、消費者物価指数(CPI)と並んで、インフレ率を測る重要な指標として用いられています。家計の消費動向や物価の動きを理解するためには、これらの指標に注目することが重要です。