
モラルハザード:金融におけるその意味とは?
- モラルハザードとはモラルハザードとは、経済活動において、取引の当事者間で情報に差がある場合に起こる問題です。例えば、中古車市場を考えてみましょう。売主は自分が売ろうとしている車の状態について、購入者よりも多くの情報を持っています。この情報量の差を利用して、売主が車の欠陥を隠したり、実際よりも良い状態であると偽ったりすることが考えられます。これがモラルハザードです。モラルハザードは、責任を負うべき立場の人が、その責任を十分に果たさない行動をとってしまうことを意味します。中古車の例では、売主は購入者に対して、車を売買するという契約における責任を負っています。しかし、情報量の差を利用することで、売主は自分の利益を優先し、購入者に不利益を与える可能性があります。モラルハザードは、保険業界でもよく見られる問題です。保険加入者は、保険に加入していることで、リスクを冒す行動を取りやすくなる可能性があります。例えば、自動車保険に加入している人は、そうでない人よりも運転が乱暴になる可能性があります。これは、事故を起こしても保険金で補償されるため、自己負担が少なくなると考えるためです。このように、モラルハザードは、情報量の差や責任の所在が不明確な状況で発生しやすく、様々な経済活動において問題となる可能性があります。