
物価変動を考慮した経済指標:名目GDPとは
- 名目GDPとは名目GDPとは、特定の期間(通常は1年間)に国内で生産された全ての最終的な商品やサービスの市場価値を、その時点での価格に基づいて合計したものです。 つまり、経済活動の規模を金額で表したものであり、国の経済規模を把握するための重要な指標の一つです。例えば、ある年に車が100万円、米が10kgで5,000円で売られていたとします。この年、車が10台、米が1000kg生産された場合、名目GDPは (100万円 x 10台) + (5,000円 x 1000kg) = 1500万円 となります。名目GDPは、生産量の変化と価格の変化の両方を反映するため、経済成長やインフレーションの影響を受けます。 生産量が増加すれば名目GDPは増加し、価格が上昇(インフレーション)しても名目GDPは増加します。しかし、名目GDPの上昇が必ずしも経済状況の改善を意味するわけではありません。例えば、インフレーションによって価格が上昇した場合、生産量が変化していなくても名目GDPは増加します。このような場合、名目GDPの上昇は実質的な経済成長を反映しているわけではありません。そのため、経済状況を正確に把握するためには、物価変動の影響を取り除いた実質GDPを合わせて見る必要があります。 実質GDPは、基準となる年の価格を用いて計算するため、物価変動の影響を受けずに生産量の増減を把握することができます。