
ギリシャ経済危機:ユーロ圏を揺るがした債務問題
- 危機の始まり2010年、ギリシャは未曾有の経済危機に直面しました。 国際的な格付け機関がギリシャ国債の格付けを大幅に引き下げたことが、その発端となりました。この格下げは、ギリシャ政府の財政状況に対する強い懸念を如実に表すものでした。ギリシャは、長年にわたり巨額の財政赤字を抱えていました。歳入を上回る過剰な公的支出や、蔓延する脱税などが、その原因として挙げられます。 そして、2008年に発生したリーマン・ショックをきっかけとする世界的な金融危機は、ギリシャ経済に追い打ちをかけました。 ギリシャ経済は、観光業に大きく依存していましたが、世界経済の冷え込みは観光客の減少に直結し、ギリシャ経済は急速に悪化しました。 ギリシャ政府は、財政赤字を削減するために緊縮財政を実施せざるを得なくなりましたが、歳出削減と増税は、国民生活を圧迫し、経済活動をさらに停滞させるという悪循環に陥りました。 ギリシャ危機は、単なる一国の経済問題ではなく、ユーロ圏全体の安定を揺るがす深刻な事態へと発展していったのです。