
EU東方拡大への布石:ニース条約
- ニース条約とはニース条約は、欧州連合(EU)の土台となる重要な取り決めの一つです。2001年2月26日にフランスのニースで署名され、2003年2月1日から効力を持ちました。この条約は、1997年に改定されたアムステルダム条約に続く改正条約として位置付けられています。ニース条約が目指したのは、当時計画されていたEUの東方拡大に備え、加盟国が増加しても組織として円滑に運営できるよう制度を整えることでした。具体的には、加盟国が増えても迅速に意思決定を行えるよう、会議の議決方式が見直されました。また、欧州議会における議員定数や、法律制定に関する権限が強化されました。さらに、加盟国の人口比率を反映して、それぞれの国が持つ投票権の調整も行われました。ニース条約は、その後のEUの発展に大きく寄与しました。特に、中東欧諸国を含む10カ国がEUに加盟した2004年の東方拡大は、ニース条約によって築かれた制度的基盤があったからこそ実現できたと言えるでしょう。