
ノンデリバラブル・フォワードとは?
- ノンデリバラブル・フォワード(NDF)の概要ノンデリバラブル・フォワード(NDF)は、将来のある特定の日に、あらかじめ決めた為替レート(予約レート)で通貨の交換を行うことを約束する取引です。これは、銀行などの金融機関の間で結ばれる先渡取引の一種ですが、実際の通貨の受け渡しは行いません。その代わりに、決済日に、あらかじめ決めた基準となる通貨(多くは米ドル)を用いて、予約レートと決済日における実際の為替レートとの差額を決済します。例えば、円とブラジルレアルのNDF取引を考えてみましょう。日本のA社とアメリカのB銀行の間で、3ヶ月後に1ブラジルレアルを10円という予約レートで、100万ブラジルレアルのNDF取引契約を結んだとします。3ヶ月後の決済日に、円に対するブラジルレアルの為替レートが1ブラジルレアル=12円になっていたとします。この場合、A社はB銀行に対して、差額の2円(12円-10円)に取引金額の100万ブラジルレアルをかけた200万円を、米ドルで支払う必要があります。もし、決済日の為替レートが1ブラジルレアル=9円だった場合は、B銀行がA社に対して、差額の100万ドルを米ドルで支払います。このように、NDFは実際に通貨を受け渡しすることなく、将来の為替変動リスクをヘッジするために利用されます。新興国通貨のように、資本取引規制などの要因により、先物取引やオプション取引などのヘッジ手段が限られる通貨を取扱う際に、特に有効な手段となります。