株価チャートに見る「カップウィズハンドル」入門
暗号通貨を知りたい
先生、『カップウィズハンドル』って聞いたことあるんですけど、何ですか?
暗号通貨研究家
それは投資用語だね。株価の値動きが、カップと取っ手の形に似ているチャートパターンを指すんだ。この形になったら株価が上がるんじゃないかと予想する人が多いんだよ。
暗号通貨を知りたい
へー、それで、なんて言うんですか?上がるんですか?
暗号通貨研究家
あくまで予想だから、必ず上がるわけではないんだ。それに、この形を見つけるのも実は難しくて、経験が必要になるんだよ。
カップウィズハンドルとは。
株の値動きを表す言葉に、『カップウィズハンドル』というものがあります。これは、1988年に出版されたウィリアム・オニールさんの本で紹介されたもので、株を買うタイミングを計る方法として使われています。日本では、この本は『オニールの成長株発掘法』という題名で2001年に出版されました。
「カップウィズハンドル」とは
「持ち手のある茶碗」という意味を持つ「カップウィズハンドル」は、株価の値動きを図表にしたものを用いて分析する際に、将来、株価が上がる可能性を示すと考えられている図形のことで、その形がまるで持ち手のある茶碗のように見えることから、この名前がつきました。
この「持ち手のある茶碗」の形は、図の左側にあたる「カップ」と呼ばれる部分が丸みを帯びた底を持つ「U」字型をしており、その後の右側に「持ち手」と呼ばれる部分がやや右肩上がりの形で現れます。
「カップ」の部分は、底値で売りが売りを呼び込み、その後、買い戻しが入って株価が回復していく過程を表しており、「持ち手」の部分は、最後の抵抗勢力を振り落とし、いよいよ上昇トレンドに転換していく過程を表していると考えられています。
このパターンは、短期的な株価の小さな上がり下がりを見るのではなく、長期的な値動きを見るために用いられます。
「カップウィズハンドル」は、あくまでも過去の値動きから将来の値動きを予測するための目安であり、必ずしもこの通りに株価が動くと断言できるものではありませんが、投資家が参考にすべき重要な指標の一つと言えます。
「カップ」の部分の特徴
株価チャートにおいて、「カップ」と呼ばれる形状は、将来的な株価上昇の可能性を示唆する重要なパターンの一つです。この形状は文字通り、アルファベットの「U」字に似た緩やかな曲線を描きながら株価が推移することで形成されます。
「カップ」の底の部分は、単に平らになっているのではなく、滑らかに丸みを帯びている点が特徴です。これは、一度は売却された株が、再び市場で買い戻される動きによって形成されます。売りが売りを呼ぶのではなく、徐々に買い戻しの力が強まっていることを示唆しているため、今後の株価上昇を期待させる重要な要素となります。
「カップ」の形成には、数週間から数ヶ月という比較的長い期間を要する場合があります。そして、その期間中は、出来高と呼ばれる株の取引量が減少傾向を示すことが多いです。これは、市場参加者が様子見姿勢を強めていることを意味します。しかし、「カップ」の形成後には、再び出来高を伴いながら株価が上昇していくケースが多く見られます。
「ハンドル」の部分の特徴
取引量の推移を表すグラフ上で、しばしば見られる特徴的な形状の一つに「ハンドル」と呼ばれるものがあります。これは、まるで取っ手のように見えることからそのように呼ばれています。
「ハンドル」は、一般的に、緩やかな下降を示す線を描きます。そして、この下降トレンドの間、取引量は減少傾向を示すことが多いです。これは、まるで価格上昇の最後の頑張りが終わり、一服しているかのような状態を示しています。市場参加者は、この動きを最後の価格調整と捉え、様子見姿勢に入っていると考えられています。
「ハンドル」と呼ばれる期間は、1週間から長くても数週間程度と、比較的短期間で終わることがほとんどです。そして、この「ハンドル」の部分を抜けて価格が上昇に転じると、本格的な上昇トレンドの開始とみなされます。これは、市場参加者が再び積極的な売買を行い始めたことを示唆しており、今後の価格上昇への期待感が高まっていることを表しています。
「カップウィズハンドル」の見つけ方
「カップウィズハンドル」は、チャート分析において上昇トレンドの継続を示唆するパターンとして知られており、様々な時間軸で使用できますが、一般的に日足や週足のチャートで分析されることが多いです。
このパターンを見つけるには、まず明確な上昇トレンドを形成した後、調整局面に入った銘柄を探します。
調整局面では、チャートがカップの持ち手のような形を描きます。具体的には、一度大きく値下がりした後に反発し、再び値下がりしますが、最初の底値付近で下げ止まる動きを見せます。
そして、最後の下げ止まりから反転上昇し、直近の高値付近を突破すると「カップウィズハンドル」が完成し、上昇トレンドへの回帰が期待されます。
ただし、実際のチャートでは教科書通りのきれいな形になることは少なく、形状や期間にはばらつきがあります。そのため、他の指標と組み合わせて分析することが重要です。
取引における注意点
株式投資の世界では、将来の価格変動を予測するために、様々な分析手法が用いられています。「カップウィズハンドル」と呼ばれるチャートパターンも、そうした手法の一つであり、株価の上昇の可能性を示唆するサインとして、多くの投資家に注目されています。
しかしながら、この「カップウィズハンドル」は、あくまでも過去の値動きから将来の値動きを予測しようとするものであり、確実に利益を保証するものではありません。 株価は、企業の業績や経済状況、投資家の心理など、様々な要因によって変動するため、一つのサインだけで将来を正確に予測することは不可能です。
実際に株式投資を行う際には、「カップウィズハンドル」のようなテクニカル指標だけでなく、企業の財務状況や収益性、成長性を分析するファンダメンタルズ分析も組み合わせることで、多角的な視点から投資判断を行うことが重要になります。
さらに、投資には常に損失のリスクが伴うことを忘れてはなりません。たとえ入念な分析を行ったとしても、損失を完全に回避することは不可能です。そのため、損失が一定の額を超えた場合に備え、あらかじめ損切りラインを設定しておくことが、資産を守る上で非常に重要となります。