ブロックチェーンと電子署名:信頼の仕組み
暗号通貨を知りたい
先生、『Signature』(署名)って、暗号資産の世界でよく聞くんですけど、どういう意味ですか?
暗号通貨研究家
良い質問だね!『署名』は、簡単に言うと、デジタルな世界での『ハンコ』のようなものなんだ。君がデータを送るときに、それが本当に君から送られたものだと証明するために使うんだ。
暗号通貨を知りたい
デジタルなハンコ…ですか?
暗号通貨研究家
そう!普通のハンコと違うのは、データの内容が変わると『署名』も変わるようになっていて、改ざんを見つけられるようになっているんだよ。
Signatureとは。
ここでは、「暗号資産」という言葉によく出てくる「署名」について説明します。
その前に、「秘密鍵」と「公開鍵」について理解する必要があります。
「秘密鍵」は、自分だけが知っている鍵のことです。他の人に知られてはいけません。
「公開鍵」は、「秘密鍵」と対になっている鍵で、他の人に教えても構いません。
情報を暗号化したり、暗号を解いたりする際に、この二つの鍵を使います。
秘密鍵と公開鍵:鍵のペアで情報を守る
インターネット上で安全に情報をやり取りするために、デジタル署名は欠かせない技術となっています。このデジタル署名を理解するためには、まず秘密鍵と公開鍵の仕組みについて理解する必要があります。
秘密鍵と公開鍵は、ちょうど1組の鍵のように密接な関係にあります。秘密鍵は、たとえるなら、自分だけが持つ宝箱の鍵のようなものです。この鍵は、自分以外は誰も開けることができず、厳重に保管する必要があります。一方、公開鍵は、誰でも受け取ることができ、宝箱にメッセージを入れるための鍵のイメージです。
誰かが公開鍵を使ってメッセージを暗号化すると、対応する秘密鍵を持っている人だけがそのメッセージを解読することができます。つまり、秘密鍵は自分自身を示す重要な鍵となり、公開鍵は相手との安全な通信を可能にする鍵となります。
例えば、あなたがネットショッピングでクレジットカード情報を入力する場合、ウェブサイトは公開鍵を使ってその情報を暗号化します。暗号化された情報は、対応する秘密鍵を持っているお店側だけが復元できるため、第三者に情報が漏洩するリスクを減らすことができます。
電子署名:データの真正性を証明する
私たちは、紙の書類にサインや捺印をすることで、その書類が本物であり、内容に同意したことを示します。同じように、デジタルの世界でも、データが本物で改ざんされていないことを証明する手段が必要です。それが電子署名です。
電子署名は、デジタル文書における印鑑やサインのような役割を果たします。その仕組みは、公開鍵暗号方式と呼ばれる技術に基づいています。
まず、情報をやり取りする際に、送信者と受信者の両方がそれぞれ一対の鍵を持ちます。片方は秘密鍵と呼ばれ、送信者だけが厳重に管理します。もう片方は公開鍵と呼ばれ、誰でもアクセスできる状態になっています。
送信者は、文書の内容と自分の秘密鍵を使って、その文書に固有の電子署名を生成します。この電子署名は、文書が少しでも改ざんされると、その変化を検知できる仕組みになっています。そのため、受信者は、送信者の公開鍵を使って電子署名を検証することで、文書が送信後、改ざんされていないことを確認できます。また、電子署名は、確かにその秘密鍵の持ち主である送信者から送られたことを証明するものでもあります。
このように、電子署名は、デジタルデータの信頼性を保証する上で重要な役割を担っています。
ブロックチェーンにおける電子署名の役割
近年、新しい技術として注目されているブロックチェーンは、取引データの塊であるブロックを鎖のように繋げて記録していく構造を持つことで知られています。このブロックチェーン上で、電子署名は取引が正しいものであることを証明し、不正を防ぐために非常に重要な役割を担っています。
ブロックチェーンでは、利用者一人ひとりが固有の鍵を持っており、取引を行う際にはその鍵を使って電子署名を作成します。この電子署名は、いわば実世界での印鑑やサインのようなもので、自分が正当な所有者であり、取引内容に合意したことを証明する役割を果たします。
この電子署名は、ブロックチェーンネットワーク全体に公開され、誰でも確認することができます。そのため、仮に悪意のある人が過去の取引データを改ざんしようと企んでも、電子署名の確認がとれず、改ざんはすぐに明らかになります。このように、電子署名はブロックチェーンの安全性を支える基盤技術の一つとして、その信頼性を高める上で欠かせないものとなっています。